意気健康 06号の薬膳レシピ

2020年11月3日著書・監修

日本医科大学発行の意気健康に薬膳レシピの記事を執筆、監修しました。

味噌 日本食に受け継がれる、健康の秘訣

発酵食品の作用

ヒトが生活していく上で、切っても切リ離せない生き物がいます。それは微生物です。病気や食中毒など我々の身体に悪影響を及ぽす悪い微生物がいる一方、ヒトに役立つイイモノも存在じます。たとえばヨーグルトや発酵乳などに含まれる乳酸菌は、腸管内で増殖し乳酸を産生することによリ、おなかの中の悪玉菌を退治してくれます。また免疫力の向上やアレルギー作用の緩和などの効果もあリ、乳酸菌が産生するバクテオリシンという抗菌作用を持つタンパク質は保存料として一部の加工食品に利用されています。これら発酵食品は我々の健康を維持・増進してくれるとともに、さまざまな変わった風味・味わいを提供してくれます。

味噌の種類と栄養効果

日本の伝統食品である味噌もまた発酵食品です。味噌の歴史は古く、弥生時代から作られていたとされ、現在の味噌に近いものに変化したのは奈良時代ですが、この当時は調味料としてではなく豆や穀物を塩蔵した保存食で重要なタンパク源でした。調味料として利用されたのは江戸時代からで、各地方の風土食豊かな製品が開発されました。重要なタンパク源であると同時に、アミノ酸・ビタミンB3、ビタミンE、イソフラポン、コリンやレシチンといった栄養素も多く含む味噌は、米・豆・麦などの原料を蒸煮し、これに塩と麹かびを加えて熟成させた食品です。全国の生産量の8割を占める米味噌は、大豆と米を原料とし、米麹や塩の割合によって、味は甘・甘ロ・辛口に、色は赤・白に分類されます。
赤味噌・白味噌の違いは、メイラード反応(糖とアミノ化合物を加熱したときに色が褐変してしまう反応)によるもので、熟成期間に関係があリます。赤味噌は1年以上熟成させますのでメイラード反応が進み褐色になります。白味噌は塩分濃度が低く熟成期間が数力月と短いため色が白く材料の粒子が残るものもあります。米味噌の他には、大豆と大麦などを原料としてつくられる麦味噌や、大豆のみを原料とする豆味噌などがあり、それぞれ麦味噌は九州、豆味噌は東海地方を中心に作られています。味噌の一人あたりの年間購入量は、総務省「家計調査」によると1970年は3960グラムでしたが2011年は2016グラムと約半分に減少しています。守り続けられてきた伝統を失わないためにも、家族の健康のためにも、ぜひfJ家庭で味噌を使った料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

体を潤す薬膳

暑さが和らぎ、朝晩の涼しい風を感じるようになリました.空気が乾燥し、呼吸器と臭容にダメージを与える「乾爆の季節〜秋」の到来です。
中医学では、自然界の風、暑、湿、燥、寒の五気と四季の変化で、季節をとらえます。秋はこの「燥」の季節にあたリ、燥邪が人体の水分を消耗させ各種の乾燥症状を引き起こします。
体を潤してくれる食材、水分を生み出す食材を心かけて健康にすこしましょう。

意気健康 06号

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